妊娠検査薬の仕組み、フライング検査の仕組み、注意すべき点、望まない妊娠をしてしまった場合などについて紹介します。
妊娠検査薬の仕組み
妊娠検査薬はどうやって妊娠判定をしているのでしょうか?
妊娠検査薬の陽性・陰性を判定している基準は、尿に含まれるhCG<ヒト絨毛性ゴナドトロピン>というホルモンの濃度です。
hCGは妊娠中の女性に特有のホルモンで、着床後に分泌が始まり、妊娠4週頃から尿中に多く検出され始めます。
これは妊娠している女性に特有のホルモン(男性や非妊時には出るはずのないホルモン)なので、おしっこを調べればhCG濃度が高いかどうか=妊娠状態かどうかが、わかるというわけです。
産婦人科でも尿検査は行われますので、結構な信ぴょう性です。
妊娠検査薬のフライング検査でも、正しい結果は出るの?
妊娠検査薬を使って検査するタイミングについては、多くの妊娠検査薬では「生理予定日の約1週間後から」が推奨されています。
hCGが尿中に出てくるのが妊娠4週からだといわれているからです。
ある程度のhCG濃度がないと、正確な判定が難しいのです。
人によっては、フライング検査で陽性判定が出たという方もいらっしゃいます。
妊娠している場合、排卵日から10日前後から徐々にhCGが分泌され始め、陽性反応が出ますが、排卵日や生理周期には個人差がありますので、フライング検査をおこなっても、陽性判定がでる場合があるのです。
逆に、フライングで陰性→ほっ…→実はそのあと、ホルモン値がじわじわ上がって知らないうちに妊娠→堕胎できないところまで来てしまった…なんてことも。
しっかりとした結果を得るには、妊娠4週以降までは待つのが賢明です。
どうしてもフライング検査をしたい!
その場合にも、方法があります。
比較的少量のhCGでも陽性・陰性の判定ができる早期妊娠検査薬というのが市販されているので、そちらであれば判定が可能です。
早期妊娠検査薬は、生理予定日初日から検査することができます。
薬剤師のいる薬局・ドラッグストアで購入できます。
いまさら聞けない検査薬の判定線の見方
妊娠検査薬の見方については、なかなか人に聞けないぶん、もやもやした疑問があるという方も多いかもしれません。
その中でも特に多いのが、判定線の濃さに関する疑問。
薄い判定線が出てしまうと「これは陽性?陰性?」と心配に思う人もいるでしょう。
この線の濃さを決めているのはhCGの濃度なのですが、これ、実は濃くても薄くても陽性反応を意味するって知っていましたか?
この線が薄い場合は、いくつか理由が考えられます。
「フライング検査」によってhCGの濃度が薄かったという場合や、尿中のhCGの濃度が水分の取りすぎで薄まっている場合などです。
また、採尿後5分以上たってうっすらと判定線が出るような場合。
これはいわゆる「蒸発線」かもしれません。
これは、尿が検査薬にしみ込んでから時間が経って水分が蒸発する時に残る線です。妊娠を表すものではないのです。
これ、もしかして蒸発線かも…?と思ったら、数日、間をあけて、再度検査をしてみてください。
妊娠検査薬ユーザーで、特に注意をすべき人とは
それは、不妊治療で排卵のためにhCG注射を受けている人。
hCG注射を受けている場合、着床していなくても尿にhCGが検出され、うっすらと陽性反応が出ることがあるのです。
ですので、これに該当する方は、検査薬の使い方について担当医に相談するようにしてください。
望まない妊娠をしてしまったかもしれない時の対応
モーニングアフターピル
性行為から72時間以内に服用。
(性被害に遭った場合には警察に届け出ることで無料になる。)
中絶手術
中絶手術は妊娠12週(妊娠3ヶ月)未満の初期と、妊娠12週(妊娠4ヶ月)以降の中期とでは手術方法が異なり、簡単に言えば週数が進めば進むほど大変になります。
妊娠12週以降に中絶した場合は、役所に「死産届」を出さなくてはなりません。
手術が可能なのも法律で妊娠21週6日までと決められており、満22週以降の中絶は禁止されています。
どちらも産婦人科での対応ということになりますので、「もしかして」となった場合には迷わず病院を受診しましょう。
いずれも女性の身体や精神面に大きな影響を与えるもの。
しっかりと女性の側から、積極的な避妊をしていかないと、あとで大変なことになります。