乳児湿疹って?原因は?
「乳児湿疹」よく聞く言葉ですが、大きくわけて3つのパターンがあります。
1.新生児ニキビ
見かけはニキビみたいだけれど…と思うような湿疹は、「新生児ニキビ」です。
生まれて間もないうちの新生児の体の中には、母親の体内にあった女性ホルモンがまだ残っていて、そのため皮脂が過剰に分泌されてしまうことがあるのです。
皮脂が多すぎて毛穴に詰まると、毛穴部分に炎症が起きてニキビになってしまいます。
皮脂がたまらないように、ガーゼや赤ちゃん石けんで優しくケアすれば大丈夫です。
2.乳児脂漏性湿疹
顔の皮膚や頭皮に赤いポツポツが広がり、フケやうろこ状のかさぶたができることがあります。
これは「乳児脂漏性湿疹」。首から上に現れることが多いです。
原因は、新生児ニキビと同じく、皮脂の量が多すぎること。
乳児脂漏性湿疹によるフケやかさぶたは、赤ちゃんの肌にへばりつくようにくっついています。
ムリにはがしてしまうのはNGです。
皮膚を傷つけて回復を遅らせたり、新たな炎症を引き起こしたりする危険性があるからです。
無理はせず普通のケアの範囲内で、清潔を保つようにしましょう。
やがて赤ちゃんの肌が強くなってくれば、必ず治ります。
3.あせも
汗をかいても、それをずっと拭かずにいると、あせもになってしまうことがあります。
あせもができやすいのは首の周りや背中、おしりなど、汗をかきやすく、むれやすいところ。
かゆいために、赤ちゃん自身がひっかいてキズができたりすると、細菌感染を起こし、もっとひどい「とびひ」になることがあります。
あせも予防のためにエアコンなど空調を効かせ、少し涼しい環境にしてあげること、通気性のよい服などを着せ、こまめに着替えをさせてあげることが有効です。
温めのお湯で拭いてあげたり、行水をするのも効果的です。
ベビーパウダーはそれ自体が肌への刺激になったり、パウダーを気管に吸い込んだりする危険もあるため、現在は昔ほどは使われなくなっています。
【注意!】長期間治らない場合には、アトピーやアレルギーの可能性も
上述したような乳児湿疹は、たいてい一過性のもので、時間がたてば治ります。
でも、症状がひどい、治っても繰り返しになり肌のカサカサやブツブツが落ち着かない、という場合には、別の病気(アトピー性皮膚炎やアレルギーなど)を疑わなければいけません。
薬も自己判断で使うのではなく、まずは小児科での受診をお勧めします。
乳児湿疹のケア方法
乳児湿疹はかゆみや痛みをともなうもの。
本人にとってとても不快なもので、夜寝ない原因にもなることがあります。適切なケアをしてあげることで、よくなります。
基本のケア方法を3つご紹介します。
受診→塗り薬を処方
乳児湿疹は生後2か月を過ぎてママから受け継いだホルモンの働きが弱くなると、自然に症状が軽くなっていくことがほとんどです。
しかし、症状が長引く場合や重症化するような場合にはかかりつけの小児科や皮膚科などで適切な治療を受けるのが望ましいと考えられます。
治療には、基本的には清潔にして保湿を行い、症状によっては皮膚の炎症を抑えるためのステロイド剤の塗り薬、細菌感染を抑える抗菌薬入りの塗り薬などが使用されます。
乳児湿疹に効果があると謳われた薬も多く市販されていますが、中には湿疹の正体が乳児湿疹でないケースもあるため自己判断で使用せず、まずは病院で診察してもらうことが大切です。
湿疹ができやすいところを清潔に保ち、こまめな保湿ケアを
乳児湿疹って、からだのどこにできやすいか、知っていますか?
答えは皮脂の分泌が盛んな部位!
入浴時にはよく泡立てた石鹸をつけて、優しく撫でるように汚れや余分な皮脂を落とし、ぬるま湯でしっかり洗い流すようにしましょう。
乳児湿疹の原因は皮脂の過剰分泌であると言われているため、皮脂が溜まりやすい部位はしっかり洗浄して清潔な状態を保つようにしましょう。
特に手首足首首の部分など、しわになっているところはよくのばして洗いましょう。
さらに、既に出来ている湿疹の表面にかさぶたやフケのようなカスが付着している場合は、無理に剥がすと痛い場合がありますので、無理にはがすのはやめましょう。
こういう際には、刺激の少ないオリーブオイルやベビーオイルなどを浸したコットンでおさえ、よくふやかしてから洗ってあげると、皮膚を傷つけずにきれいに取り除くことができますよ。
入浴後にクリームなどの保湿剤を塗りましょう、と育児雑誌などに載っていると思いますが、保湿剤って必要なのでしょうか?
結論としては、乾燥しやすい子ならあった方がいい、くらいの認識です。
具体的には入浴後。お風呂に入ったあとは(大人も同様ですが)皮膚が乾燥しやすく、皮脂分泌が増えて湿疹の原因になることも。
特に生後3ヵ月を過ぎると赤ちゃんの肌は乾燥しやすくなるといわれています。
市販の、余計な成分の入っていない赤ちゃんでも使用できる保湿ケア用品を使用しましょう。
室温を調節して汗の過剰分泌を避ける
上述したようなケアももちろんですが、室温の調整もとっても大事です。
赤ちゃんは非常に汗をかきやすいです。
それが原因となり、あせも・湿疹を引き起こすことがあります。
なので、エアコン、服装などで室温をうまく調節して、汗の過剰分泌を防いであげましょう。