長い妊娠生活を終え、やっと陣痛を乗り越え、出産と思った時にお医者さんと助産師さんの様子が少し違う、これは何が起きたのだろう・・・と。
しばらくベッドに放置されたまま、数分後、娘の産声を初めて聞きました。
母子同室入院の予定でしたが、最初の数日間は別室で娘を抱きしめることもできませんでした。
何が起きたかわからないまま、退院日の診察で「軽度仮死でした」と告げられ、気持ちがドーンと落ち込み涙が止まらなくなりました。
新生児仮死に直面し悩んでいる方の力になれればと思い、記事を書きました。
新生児仮死とは
新生児仮死は分娩の際に胎盤から胎児に酸素がいきわたらず、出産後に自分で呼吸循環系の確立ができない胎児が仮死状態で生まれてくることを「新生児仮死」といいます。
胎児は、出生をする際、子宮内環境から子宮外環境へ急激な適応を行わなければなりません。
そのため、すべての胎児にとって、出生というのは死の危険にさらされる可能性があります。
新生児仮死には2種類あり、青色仮死、白色仮死があります。
青色仮死─仮死1度─
呼吸系の確立が遅れた状態で、全身にチアノーゼが認められます。
白色仮死─仮死2度─
呼吸系だけではなく循環系の確立も遅れ、全身が蒼白になり、より重要な状態です。
アプガースコア
出産直後の新生児の健康状態を示す指数のことをアプガースコアといいます。
生後1分~5分の時点でアプガースコアが4点~6点を第1度新生児仮死(軽度新生児仮死)、3点以下を第2度新生児仮死(重症新生児仮死)といいます。
7点以上は正常とされています。
アプガースコアについては、母子健康手帳の「出産の状態」のページの分娩経過欄に記載されています。
娘の場合は、アプガースコアが6/7点と書かれており、蘇生を行った結果20分後に10点になったことが記載されています。
出産時の状況
私は当時25歳で初めての出産でした。
妊娠中は悪阻が酷く、7カ月ごろから脳貧血のため家で過ごすことが多かったです。
陣痛から分娩まで9時間ほどで比較的短い時間でしたが、陣痛からすぐ38度の高熱を出し、入院と同時に点滴をしていました。
また、分娩の際も筋肉が弱く力を入れることができず、吸引分娩になりました。
娘が生まれた際、娘は溺れていたようで産声がありませんでした。
医師と助産師たちはすぐに胎盤を取り出すこともなく、すぐに娘を運び少し離れたところで蘇生を行っておりました。
何が起きているかわからず、私は娘が無事生まれてきたことに喜んでおりましたが、立ち会っていた夫はだめかもしれないと思っていたそうです。
その後、ブーン、ごぼごぼという機械の音が聞こえ、数分後娘の泣いている声が聞こえ、しばらくしてから初めて娘を抱かせてくれました。
しかし、すぐに引き離されました。
新生児仮死の原因
新生児仮死の原因は母体要因、分娩要因、胎児要因のいずれかになります。
母体要因であれば、軽症妊娠中毒症、重症妊娠中毒症があります。
また、分娩要因であれば、常位胎盤早期剥離、臍帯脱出、臍帯結節があります。胎児要因は胎児の発育不全があります。
娘の場合は新生児仮死の原因がわかりませんでした。
医師から「薬を飲んでいたか、アルコールを摂取していたか」など入院中様々な質問を受けました。
しかし、どれもあてはまりませんでした。唯一思い当たる原因が、陣痛の際に38度を超える高熱を出していました。
新生児仮死の治療
産後すぐに喉や気管にたまっている羊水や粘液を吸引し、酸素を吸わせる処置をし、呼吸が弱い場合はマスクとバッグで酸素を入れたり、空気の通り道を確保するために帰還にチューブをいれることもあるようです。
その後酸素吸入や人工呼吸器の装着をし、クベース(保育器)に入れ、体温や湿度を調節し様子を見ていきます。
娘の場合はクベース収容と酸素投与を2日間行われました。
生まれた娘とはガラス越しでしか会うことができず、手をつなぐことだけが許されていました。
入院時
産後3日目で娘は初めて入院している個室へやってきました。
しかし、泣くことがなく、お腹がすいているのか、おむつがぬれているのか全く教えてくれませんでした。
ほとんどの時間は静かに眠っていました。
基本的に24時間母子同室の病院でしたが、午前中は小児科による検査や沐浴などで部屋にはおらず、一緒に過ごしている時間は12時近くから19時頃までの短い時間でした。
初めての授乳も産後3日目でした。
とにかく起きているときも寝ているときも足をよく動かし、ベッドから落ちそうになっているぐらい元気に見えました。
退院時
退院時も小児科による検査が細かく行われていたようで、時間がかかっていました。
検査の結果異常はなかったのですが、軽度仮死の原因はわかりませんでした。
産婦人科医に退院時に初めて、「軽度仮死」であったことを説明され驚きとてもショックを受けました。
しかし、健康で退院しても大丈夫という判断でした。
退院後、気になる点は新生児黄疸と泣かないこと、よく寝ることでした。
現在
大きな病気をすることも、検診でひっかかることもなく、無事2歳になりました。
現在はイヤイヤ期真っ盛りで毎日よく泣いて、男の子よりも活発で元気いっぱいです。