妊娠をするとマイナートラブルが発生しやすいと言われますが、その中でも発生しやすいトラブルの一つが「むくみ」です。
特に妊娠後期になるにかけて、むくみに悩まされる妊婦さんは多いもの。
今回はそんな妊婦さんの「むくみ」は何故起こるのか?
どんな対策があるのか?について分かりやすく解説致します!
妊婦さんがむくみやすくなる理由は?
むくみは「浮腫(ふしゅ)」とも言われています。
血液中の水分が外にしみ出て、皮膚の下にたまった状態です。
痛みを伴う事はあまりないですが、顔や手足にはれを引き起こします。
臨月になるにかけて症状が発生する方が多いと言われていますが、それ以外の期間でもホルモンバランスや血液量の変化によって、妊娠期間全期間を通じて起こりやすい症状とも言われています。
では、何故妊婦さんはむくみやすくなるのでしょうか?
原因はいくつかありますが、下記の理由のいづれかに当てはまることが大半と言われています。
1.身体の変化
妊娠中は、胎児に栄養を送る事が重要です。
そのため血液量は従来の約1.5倍に増えると言われています。そのため、水分を身体の中に溜めやすくします。
また、胎児がお腹の中におり、大きくなってくるため、太ももの付け根にある血管が圧迫され、血液循環が悪くなるのも一因と言われています。
ホルモンバランスの変化も要因の一つと言われています。
妊娠を維持するために女性ホルモン「プロゲステロン」の分泌が活発になります。
このホルモンは皮下脂肪に水分を取り込みやすくするホルモンですので、これの活発化によりむくみやすい体質になってしまうのです。
2.塩分の摂りすぎ
妊娠による味覚の変化によって、塩分を摂りすぎてしまうこともむくみの原因の一つ、と言われています。
ただでさえ、身体の変化で水分を体内に溜めやすくなっていますが、それに加えて塩分を過剰に摂取してしまう事によって、体内のナトリウム濃度を薄めようとします。
その結果、むくみが起こりやすくなるのです。
これを放っておくと「妊娠高血圧症候群」を発症するリスクが高くなります。
子宮や胎盤の血流が悪くなり、赤ちゃんにも影響を及ぼしかねませんので、要注意です。
厚生労働省のHPにも妊娠浮腫については記載されており、仕事をしている期間中に妊娠浮腫が発生した場合、軽傷であっても、労働負荷の軽減や時短勤務重症の場合は休業(入院加療)が定められています。
https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/glossary/symptom07.html
万が一、重症になってしまった場合は、こういった措置もとれる、と言う事を頭の片隅に置いて頂けたらと思います。
妊娠中にむくんでしまった場合はどうしたら改善できるの?
むくみには痛みは無い…といわれても、いつもの靴が履けなくなってしまったり、痛々しい見た目になってしまったりしますので「改善出来る事ならしたい!」と考えらえる妊婦さんが多いかと思います。
どんな対策が出来るのか?についていくつかご紹介を致します。
1.マッサージ・ストレッチをする
妊娠中は特に下半身に血液が溜まりやすい状態になっています。
ふくらはぎを下から上になでるようにして徐々に血流を良くしていきましょう。
マッサージをする前に足湯をしておくと、身体全体の血行が良くなるのであわせて実施すると効果もあがるでしょう。
また、寝る時に足を少し高くしたり、着圧マッサージをすることも効果があると言われています。
2.適度な運動をする
血流の巡りが悪くなる一つの原因は「筋力の低下」です。
ウォーキングを実施すると、ストレス発散になるだけでなく、筋力もつきますし、結構もよくなります。
「体力勝負」と言われるお産を乗り切るためにも、特に臨月に入ってからは適度に身体を動かす事をオススメします。
切迫早産などで安静指導が入っている方は運動を始める時期については医師の方と相談してみて下さいね。
3.塩分を控える
塩分を摂取することによって、体内の塩分濃度を下げるために体内に水分を溜めこもうとする働きが強まります。
妊娠中はただでさえ体内に水分をため込みやすいですので、妊娠前のように塩分をとっているとむくみが発症してしまう場合も。
減塩しょうゆを用いたり、酢を使ったり、塩分の多く入った汁物は残したり…。
「塩分控えめ」を意識した生活を心がけましょう。
加工食品・外食はどうしても塩分が多くなりがちですので、なるべくであれば、家で薄味を意識して作るのがよいかと思います。
4.むくみに効果的な食べ物を摂取する。
塩分を控えると同時に、むくみを予防してくれる食べ物も併せて摂取しましょう。
「カリウム」は体内に含まれる塩分を尿として排出する働きがあります。
バナナなどの果物や野菜、豆類などに多く含まれています。
「煮ると溶けだす」という特徴があるため、生もしくは、スープにして煮汁まで飲み干すようにするのがよいです。
食塩無添加のトマトジュースであれば、手軽に摂取できます。
他、利尿作用が高くノンカフェインのゴボウ茶・ハトムギ茶・ドクダミ茶などもオススメです。
妊婦さんのむくみとその対策についてまとめ
以上、妊婦さんのむくみとその対策についてまとめました。
ホルモンの影響など避けられない場合も多い「むくみ」ですが、運動をしたり、少し食生活に気を使う事によって、改善される事も多々あります。
少しでも快適な妊娠生活を送るためにも、是非今日から、出来る所からでいいので始めてみてはいかがでしょうか?