出産が終わってほっとしたのはいいけれど、全身筋肉痛だし、おしもの縫ったところが痛い、おっぱいを吸わせるとお腹が痛い。
出産という大きな痛みを乗り越えたのにまだまだ痛みがあると、育児するのも大変ですよね。
そんなとき、医療スタッフから「ロキソニン、飲んでいいんですよ。」と言われたとき、妊娠中はダメだと言われていたのに、授乳中に飲んでいいのかってちょっと不安になっていませんか。
どうして授乳中でも飲んでいいのか、痛みの原因、ロキソニンなどの解熱鎮痛剤を授乳中に飲んでいい理由などをお伝えしようと思います。
産後の痛みの原因

まず、出産によってどんな痛みが生じるのでしょうか。
その中のいくつか説明をしていきます。
筋肉痛
出産によるカロリー数はフルマラソンを走ったくらいと言われています。
妊娠中って、身体が重たくなるとなかなか外に出るのも億劫になり、運動不足になりがち。
ですが、出産になると皆さん今まで出したこともないような力を発揮されます。
なので急に激しい運動をしたので筋肉痛になってしまうでしょうが、筋肉痛も一時的なものなのです。
そして出産当日から「はい、育児を全部やってね。」というスパルタ過ぎる病院は日本にはまずないでしょう。
当日〜1日はゆっくり休ませてくれるでしょから、その間に入院中のご飯をしっかり食べて、休んで身体を回復させていきましょう。
おしもの痛み(陰部痛)
出産の際、会陰(肛門と膣の間のところ)部の皮膚が少し裂けたり、必要以上に裂けないよう、もしくは赤ちゃんが出やすくするように医師が少しだけ切開を入れます。
裂けた部分や切開した部分は医師が縫合しますが、その傷が痛いのです。
裂けたり切開がなくても赤ちゃんが出てきたときに拡大・伸展していますから、むくんだりして痛みを感じることもあります。
この痛みは、出産後1日目は91%、出産後7日目は61%、出産後6週間でも7%の人が会陰部の痛みを感じています。
痛みは傷が深いほど長引きます。この痛みに対しては陰部を冷やしたり、円座を利用すると痛みが軽減しますがロキソニンなどの痛み止めを使ってもよいでしょう。
帝王切開の腹部にできた創部
帝王切開は腹部と子宮にメスを入れて出産しますから、出産時は麻酔が効いていますが産後は創部の痛みで起き上がることにも勇気が入りますし、笑うことも躊躇するくらいです。
ですから回復のペースは下からのお産(経膣分娩)の方よりゆっくりです。
産後1日目で立ってトイレに行けるくらいが目標です。痛みがあると活動が制限されてしまいますが、長期間動かないでいると足に「血栓」という血の塊が出来やすくなります。
それが動いたときに血の流れに乗って、肺などに詰まったら大変なことになります。
ですから、帝王切開の人も痛み止めを使ってでも動いた方がいいのです。
授乳中の腹痛
授乳をするとお腹が痛くなる、これは経産婦さんの方が感じるかもしれませんが、「後陣痛(こうじんつう)」というものです。
俗に「後腹(あとばら)」と呼ばれることもあります。
これは、赤ちゃんがおっぱいを吸わせると「オキシトシン」というホルモンが分泌されておっぱいが出てきます。
この「オキシトシン」は子宮を収縮させる作用があり、子宮が収縮するのでお腹が痛くなるのです。
個人差はありますが大体、出産して2〜3日ごろまでが痛みを感じます。
子宮の収縮が順調に行けば痛みはだんだん落ち着いてきます。
子宮が収縮し、元に戻ろうとすることは良いことなので、おっぱいは是非吸わせて欲しいのですが、痛みが出るとわかると授乳が億劫になりますよね。
ですから、この場合ロキソニンなどの痛み止めを飲んで、痛みを軽減させて欲しいのです。
後陣痛で痛み止めを飲む際のポイントは、授乳時間の少し前から飲むこと。
これは、授乳によって後陣痛が起きますから、痛みが強くなる時点で飲むと、痛み止めが効くまでに時間がかかってしまうからです。
妊娠中はロキソニン飲んではダメだったのに、授乳中はなぜいいの?
妊娠中にロキソニンがダメなのは赤ちゃんに影響があるからなのです。
ロキソニンなどの非ステロイド性炎症薬は、胎盤を通って赤ちゃんへ移行し、胎内にいる赤ちゃんの心臓にある「動脈管」というものを収縮させ閉鎖させてしまう可能性があります。
赤ちゃんが胎内にいる間はこの「動脈管」は赤ちゃんには大変必要なもの。
それが閉じてしまうと赤ちゃんの心臓はうまく機能しなくなり、最悪亡くなってしまう可能性があるからです。
しかし、この「動脈管」は赤ちゃんが生まれると、役割がなくなるので自然と閉じます。
ですから、産後にその心配をする必要はありません。
しかし、母乳から痛み止めの成分が移行して赤ちゃんに影響がないか心配ですよね。
母乳はママの血液からできているのですが、飲んだ成分が全部母乳に行くわけではなく移行するのは微量で赤ちゃんの体には影響のない程度です。
国立成育医療センター「妊婦と薬情報センター」には、授乳中でも飲める薬の一覧が公開されています。
その中の授乳中に飲んでも良い薬に「ロキソニン」は記載されています。
https://www.ncchd.go.jp/kusuri/
他にも飲んで良い薬、飲んではいけない薬が記載されていますから、参考にしてください。
もしわからなければ、かかりつけの病院に相談してみてもいいでしょう。
ただ、用法・容量はきちんと守りましょう。ロキソニンは乱用すると胃が荒れてしまいます。
終わりに

母乳と薬に関しては根拠が乏しいために飲まない方がいい、と言われてきたようですが、母乳育児にはママにも赤ちゃんにもメリットがあります。
何かと制限があると、ママは「それなら母乳じゃなくていいや。」となってしまうかもしれません。
色んな症状を我慢せず、薬とうまく付き合いながら母乳育児を継続されることを願っています。
まとめ
産後には、傷の痛みや授乳で四球が収縮する後陣痛という痛みがあります。
妊娠中、ロキソニンは胎児の「動脈管」を閉鎖させる恐れがあるため飲んではいけません。
しかし産後のロキソニンの内服は、赤ちゃんの「動脈管」は自然と閉じるので問題なく、母乳への薬の移行は微量なので授乳中に飲んでもよい薬とされています。
