妊婦健診では、お母さんの状態を健診するとともに、胎児のことも確認していると思います。
確認する項目はいくつかありますが、赤ちゃんの向きも検診のひとつの項目です。
「逆子」となかなか聞きなれない言葉ですが、妊娠、出産には大きく影響しています。
ここでは逆子について、治し方など紹介していきます。
逆子とはなに?
赤ちゃんが自然分娩で生まれてくるとき、頭が一番最初に出てきます。
それは、赤ちゃんの体の中で頭が一番大きいからだと言われています。
妊娠後期になるとお腹の中の赤ちゃんは頭が下の状態で羊水の中をぷかぷかしています。
しかし、胎動を感じ始める20週ごろお腹のあちこちで動いていることが感じられると思います。
それはまだ子宮の中にスペースがあり、赤ちゃんは自由に動いているためです。
エコーで赤ちゃんを見てみると、頭が下の子「頭位」、横向きにいる子「横位」、頭が上の子「骨盤位」といいます。
逆子はこの骨盤位の状態のことを言います。
赤ちゃんが大きくなると、子宮のスペースも少なくなってくるため、回ることが難しくなるため、35週頃までには頭が下になることがほとんどだといわれています。
逆子になる原因
どうして逆子になってしまうかは、原因がある場合とそうではない場合があるそうです。
母親側の理由としては、
・子宮筋腫がある
・もともとの子宮の形の異常
・身長が低いため骨盤が狭いこと
などに関係があるそうです。
そのほかにも、
・胎盤の位置が子宮の入り口の方に近い
・羊水が多い
・赤ちゃんの体重が標準よりも小さい
など妊娠したときの状況や、子宮の中を動き回りやすい環境のため逆子になりやすいといわれています。
また、根拠がはっきりされてはいませんが、母親の体の冷えが関係しているという考えもあるそうです。
ただ赤ちゃんがそっちの体勢や向きが心地よかっただけだよという説もありました。
逆子のリスク
赤ちゃんが自由に動いて決めた向きではありますが、逆子ならではのリスクもあります。
逆子の場合、自然分娩をすることができない病院がほとんどだといわれています。
先ほどもお話したとおり、赤ちゃんの体は頭が一番大きいとされています。
そのため、お尻から先に出てきてしまうと、頭がつっかえて出てこれず赤ちゃんが苦しくなってしまうのです。
もうひとつは、破水をした際赤ちゃんのへその緒が子宮の外に出てきてしまい、苦しくなってしまうことがあります。
赤ちゃんとお母さんをつなぐへその緒は、酸素や栄養を運ぶ役割があるので、その緒が先にでてくる臍帯脱出は危険な状態になってしまいます。
そのため、逆子の場合、帝王切開を行う病院がほとんどだそうです。
逆子の直し方
逆子でもいいか、と思う方もいると思いますが、帝王切開はいやだなと考える方もいると思います。
1度帝王切開を行うと次回の出産も帝王切開で行うことが基本となります。
できることは限られていますが、逆子から頭位に戻す方法を紹介したいと思います。
■逆子体操
赤ちゃんの体勢が固定されるようになるのは30週過ぎたあたりからだといわれています。そのため、逆子の場合、体調や医師と相談しながら30週すぎぐらいから体操を取り入れてみると良いそうです。
・四つんばいの姿勢から、ひじをゆっくり曲げ、お尻を高く持ち上げる方法
・仰向けの状態から、腰の下にクッションをいれ骨盤を高くする方法
逆子体操にも様々な種類があり、医師や助産師と相談し自分にあったやり方を見つけられるといいと思います。
体が辛いときや、医師から安静と言われている場合など行えないときもあります。
■外回転術
医師が、お腹に直接手を当てて回転させる方法です。
病院によっては行っていない病院もありますが、骨盤位外来といって、外回転術を行う外来を設けている病院もあります。
100%治るわけではないことや、出産に繋がるリスクもありますが、妊婦健診時に確認してみるのもひとつかと思います。
■つぼ、お灸
逆子に効果があるつぼもあるそうです。
逆子を治すお灸を行っている鍼灸院もあるため、医師と相談しながら通ってみるのもよいのかもしれません。
■冷えの改善
根拠はないという話もありますが、赤ちゃんは頭を冷やさないように、足やお尻を下にするから冷えている方は逆子になりやすいそうです。
また、冷えることで子宮が張りやすくなるため、赤ちゃんが動きにくく逆子から頭位へもどれないのではないかという説もありました。
湯船にしっかりつかる、靴下やレッグウォーマーを活用する、暖かい飲み物を飲むなどできることからはじめてみるのもいいのかもしれません。
■話しかける
お腹の赤ちゃんは妊娠20週を過ぎると、耳が聞こえてくるそうです。
「頭下にするんだよ~」とお腹をなでながらお話をすることは赤ちゃんに伝わっているのではないでしょうか。
まとめ
・通常は頭が下の「頭位」とは逆に、足やお尻が下にある体勢を「逆子」という
・病院の方針にもよるが出産方法は、帝王切開がほとんど
・逆子体操、外回転術、つぼ・鍼灸、冷えの改善など100%ではないが、治す方法もある。
大体の方が35週までに赤ちゃんの体勢が固定されると思います。
しかし、逆子だと思っていたら37週で頭位に戻った!いう話も聞いたことがあります。
もし頭位に戻らなくても、赤ちゃんが心地よかった体勢だったんだんだなと思うと、逆子を受け止められるのではないでしょうか。