排卵を促すために服用するクロミッドですが、薬なので副作用もあります。
副作用のひとつに腹痛がありますが、そのままにしておくと重症化してしまうので注意が必要です。
安心して妊活を行うためにも、クロミッドの副作用をしっかり理解して治療を進めていきましょう。
クロミッドとはどんな薬?
クロミッドとは不妊治療の際に処方される薬で、卵巣を刺激することで排卵を促す効果があります。
1回服用しただけでは効果がないため、病院では生理開始5日目から5日間処方されることがほとんどです。
タイミング法や人工授精ではクロミッドを服用しつつ、病院でエコー検査を行い卵子の育ち具合を確認します。
クロミッド服用中の腹痛の原因は?
先ほども説明した通り、クロミッドは卵巣を刺激することで排卵を促す薬です。
そのため、卵巣への刺激が強すぎると卵巣過剰刺激症候群になってしまうことがあります。
卵巣過剰刺激症候群とは、卵巣を刺激したときにエストロゲンが過剰に分泌されることで起こります。
重症化すると血栓症になってしまう可能性があるため、クロミッドを服用する前には卵巣過剰刺激症候群の症状を把握しておきましょう。
卵巣過剰刺激症候群の症状は?
卵巣過剰刺激症候群はそのままにしておくと合併症を引き起こしてしまうため、症状がみられたときは早めに対処する必要があります。
クロミッドを服用する前には副作用の症状を把握しておきましょう。
ここでは、卵巣過剰刺激症候群の症状について説明します。
腹痛
卵巣が刺激されることで膨れ上がるため、腹痛やお腹が張るなどの症状がみられます。
お腹に水がたまってしまうこともあるため、腹痛などの症状がみられたら薬の服用を中止しましょう。
吐き気
腹痛やお腹が張ることによって吐き気を催すことがあります。
吐き気がみられたときは体を休め、できるだけ早く病院を受診しましょう。
嘔吐してしまったときは脱水にならないよう、吐き気が落ち着いたときに水分を摂るのがおすすめですよ。
体重の増加
卵巣が膨れ上がることで体重が増加することもあるため、食べ過ぎていないのに体重が急増したときは卵巣過剰刺激症候群の可能性が考えられます。
毎日体重を測っている人は分かりやすいですが、測る習慣のない人はクロミッドの服用期間中だけでも体重を測ってみましょう。
腹痛がみられたときの対処法
卵巣過剰刺激症候群の症状がみられた場合はクロミッドの服用を中止し、できるだけ早く病院を受診しましょう。
そのままにしてしまうと重症化し、血栓症などの合併症を引き起こしてしまう可能性があります。
なかなか妊娠しないことに焦りを感じる人もいますが、自己判断で薬を増やしてはいけません。
薬の効き具合は服用する量や体質によっても変わるため、医師と相談しながら不妊治療を進めましょう。
腹痛以外の副作用は?
クロミッドの副作用は腹痛だけではありません。
副作用の症状について知っておくことで異常に早く気づくことができるため、治療前には必ず薬の副作用を家族と把握しておきましょう。
ここではクロミッドの副作用と、その症状がみられたときの対処法について説明します。
視覚症状
クロミッドを服用すると、副作用として目のかすみがみられることがあります。
服用を中止することで治まりますが、車を運転する前には飲まないようにするのがおすすめです。
また、視覚症状が強い場合は服用をただちに中止し、病院を受診しましょう。
生理の遅れ
クロミッドは軽いエストロゲン作用のある薬です。
通常だとエストロゲンは生理前に分泌量が低下しますが、クロミッドを服用することでエストロゲンの低下に時間がかかり、生理が遅れることがあります。
ただし、生理が遅れているのは妊娠の可能性も考えられるため、予定日を過ぎても生理が来ないときは病院を受診してみましょう。
多胎妊娠の可能性も
通常の生理サイクルでは左右どちらかの卵巣から卵子が1つだけ排卵されますが、クロミッドを服用することで卵巣が刺激されるため複数の卵子が大きく成長する可能性があります。
多胎妊娠だと早産のリスクも高くなるため、治療前にはパートナーとクロミッドの副作用や多胎妊娠したときのことについて話し合っておきましょう。
薬の副作用を知って正しい対処をしよう!
クロミッドは排卵を促してくれますが、薬なので副作用がみられることがあります。
クロミッドの服用による腹痛は滅多に起こらないものですが、そのままにしておくと重症化してしまうため注意が必要です。