子育てカウンセリングをする中で、ママさんのお悩みに多くあげられるのが「夜泣き」の悩み。
妊娠期間中は、自分の身体だけど自分だけのものじゃないような、もうひとつの「命」を育むという心配・不安を感じますね。
そいうい妊娠期間を乗り越えて、次は体力の限界まで「出産」という大仕事に取り組みます。
無事に産まれてくれてホッとした安心感や幸福感もつかの間、いよいよ新生児のお世話がはじまります。
出産した場所(病院・助産院・自宅出産など)によって、産後すぐのママへのケアは様々だと思いますが、産後すぐ、赤ちゃんとママが同室で一緒に過ごす「母子同室」のケースは、産後の休む間もなく過酷な睡眠不足の日々が待っています。
「ゆっくり眠りたい…」ママは24時間フル稼働
出産直後は、大仕事を終えた高揚感や幸福感で気持ちが高ぶっているママもいることでしょう。
これからスタートする子育てに不安や心配を感じているママ、体力を使い切ってへとへとになっているママもいますよね。
そんな時に愛しいわが子の寝顔を眺めると、疲れも不安も吹き飛んでしまうかもしれませんね。
産まれて間もない赤ちゃんは、睡眠と覚醒のメカニズムがまだまだ未発達であると考えられています。
お腹の中で10か月間過ごしていたように、引き続き寝たり覚めたりを繰り返しているのです。
この世に産まれて肺呼吸がはじまっても、意識はまだまだお腹の中。だからお腹の中で聴いていたママの胎内音(心臓の鼓動や血液が流れる音)を聴いたり、ママの左胸に抱っこされて心臓の音を聴かせると、安心して落ち着くのですね。
赤ちゃんの睡眠は、生後間もなく昼夜関係なくほぼ3時間おきに起きるような段階になっています。
赤ちゃんの生まれ持った資質によって、よく寝る赤ちゃんだったり、ほとんど寝ない敏感な赤ちゃんもいます。
それぞれの生まれ持った資質は赤ちゃんの「個性」ですので、ママが
「自分の接し方が悪いのではないか」
「何か間違っているから寝ないのでは…」
と不安に思う必要はないのです。
精神的にも、体力的にもへとへとに疲れている状態の時は、何か気になることがあると
「私の育て方が悪いのではないか…」
と考えてしまうのは当然のこと。
自分を責める考えがめぐってきた時には
「私は24時間フル稼働で働いているんだから疲れて当然、疲れて自分を責めたくなる気持ちになるのは当たり前のこと。
だから、赤ちゃんが泣いたり、夜泣きするのはママのせいじゃないんだ。
まだ、新生児は睡眠のバランスがとれなくて、うまく眠れないからなんだな。」
と考えることが大切です。
睡眠と覚醒をうまく切り替えられない時期がある
赤ちゃんの脳波は生後間もない間は、睡眠と覚醒の間の「まどろみ」の時間が多く、だんだんと覚醒の時間が長くなっていく傾向があります。
3か月の段階では覚醒の時間がまとまって2時間くらい、6か月の離乳食がすこしずつ始まる時期には、もっとまとまった覚醒時間になってきます。
そうやって段階を経ながら、徐々に睡眠と覚醒の切り替えが育まれていきます。
産まれて間もない赤ちゃんは、「泣く」ことで自分の「してほしい事」や「不安な事」「嫌なこと」を伝えますので、
ママの方でも「寒いのかな」「暑いのかな」「オムツ濡れたかな」「お腹すいたなか」などと推測しながら対応方法を考えていきますよね。
いろいろやっても泣き止まない。そんな時にはとても不安になります。
「何やってもダメだし、もうわからないよー。こっちが泣きたくなるわ…」
そんな気持ちでいっぱいになりますね。
ママがそんな気持ちの時、赤ちゃん自身は、
「眠いけど寝れない、すっきりと起きることができない」ことで泣いているケースも多いのです。
※苦しそうに身体をよじって激しく泣いたり、顔色がいつもと違って泣き続ける場合は、何かの病気が原因の場合もあります。おかしいと感じたら小児科を受診しましょう。
このように赤ちゃんの夜泣きは、睡眠と覚醒のメカニズムが未発達で起こると考えられています。
赤ちゃんの睡眠はその成長の過程で、睡眠と覚醒をうまく切り替えられない時期があるのです。そして、夜に目が覚める回数は成長とともに減っていきます。次は一般的に夜泣きが多くなる生後9か月頃からのお話しを詳しくしていこうと思います。
赤ちゃんが泣くことをネガティブに受け止めないでくださいね。
睡眠と覚醒のメカニズムが未発達のため、うまく寝付けずに泣いているケースが多いので、ママは自分のやり方を責めたり、落ち込んだりすることはないですよ。
けれども、夜通し泣かれると本当に参ってしまいますよね。
今回は一般的に夜泣きが多くなる9か月の場合を詳しく話していこうと思います。
赤ちゃんの睡眠中の脳波を調べた研究によると 一般的に9か月頃になると、夜8時過ぎに寝て朝8時前に起きるまでに、9回起きているという結果が出ています。
現実は、9回を毎回で泣いているとは限りませんが、脳波の揺れを見る限り何度も眼を覚ましていることがわかります。
これが1歳6ヶ月になると眼を覚ます回数は4回に、2歳0ヶ月には2回に減っています。このように、だんだんとまとまって眠るようになっていくのです。
実は、赤ちゃん自身も、気持ちよく寝たい、泣きたくない、という気持ちを持っているのです。
寝るために自分でいろいろな工夫をしています。
例えば指しゃぶりをしてみたり、寝やすい体勢をとってみたり、好きな毛布をつかんでいたり。
赤ちゃんも朝はすっきりと起きたいと思っているのです。
夜泣きをしている時期は、眠る練習をしている途中です。
うまく寝れないときがあっても、いずれ必ずできるようになっていきますので安心してくださいね。
そう考えると、夜泣きの時期も振り返ってみれば数年間。
今は夜泣きするけれど、いづれぐっすり眠れるようになるものです。
とはいっても、その真っ只中は毎晩寝れなくて、ほんとに辛いものですよね。
「実際の夜泣き対策例」をいくつかご紹介
生後1か月から夜泣きぐずりが続いていたA君。
夏生まれでしたので、自宅のエアコンは産院と同じ27度に設定していました。
毎晩泣き続けるA君を汗だくで抱っこしていたママが、暑さに耐えかねて設定温度を23度に変更。そのとたんすやすやと眠り始めたA君。
実はとっても暑がりな赤ちゃんだったようです。
一般的に室内温度は冷やしすぎてはいけないと考えていましたが、A君にとっての快適温度は少し低め、だったようです。
夜中の12時になると必ず夜泣きをしだすBちゃん。
車でドライブすると安心するのか寝付いてくれるようです。
今まではあれこれ試しましたが、今では12時すぎて泣きだしたらすぐ、15分くらいドライブします。
エンジン音が安心するのか、チャイルドシートに乗ったまま数時間熟睡。
駐車場に停めて、寝てくれている間はママも一緒に仮眠をとりました。
とにかく抱っこしていないと寝ないCちゃん。
ママとパパは時間交代で仮眠をとりました。
10時~14時まではパパが抱っこでママは仮眠。
14時~18時まではママが抱っこでパパが仮眠。
パパもママも、最低4時間は必ず眠れるようルールを決めました。
パパが激務で、ワンオペ育児だったDちゃんのママ。
もともと完璧主義で、家事もきちんとやらないと気が済まない性格でした。
しかしDちゃんが生まれてからは、何よりもママの睡眠を最優先にするとルールを決めました。
Dちゃんが寝ている時は、必ずママも一緒に眠ること。
洗濯を畳んでいなくても、お風呂の掃除が終わっていなくても、Dちゃんが寝たタイミングで自分もとにかく寝る!
こきざみでも身体を休めることで、なんとかワンオペ育児の夜泣き時期を乗り切りました。
おしゃぶりが口にないとぐずって泣き始めるE君。
布団に紛れ込んでしまい、紛失するおしゃぶり探しの時間でタイミングをはずし、泣きスイッチが入ってしまうと大変でした。
ちょっと出費が痛かったのですが、お気に入りのおしゃぶりを5個いっぺんに購入し、夜中に起きてもすぐE君の口に入れられるように準備しています。
いつでもすぐにおしゃぶりが入りますので、泣きスイッチが入らなくなりました。